Scene 2. そして私はM07 CONCEPTを買った!
Scene2.
というわけで、突然おっぱじまったRCカーブログでありますが。Scene1. は既に多くの方々に訪問していただき、心より感謝いたします。
さて、私がここ数年でモリモリとRCカーマインドを高めてきたことは前回で説明したとおり。それはとりもなおさず、素で組んでもそれなりに走ってくれる高いポテンシャルを持つMシャシーの存在と、ギスギスしない、気持ちに余裕のあるカッコいい大人のドライバーの皆さんが ”カムバックおやじドライバー” を優しく受け入れてくれたからに他ならない。
私のカムバックを優しく受け入れてくれたK2ファクトリー、ドライバーの面々。
そんな私がここ数年、雑誌などを通じて体験レースなどをレポートしてきたのを見て、ひとりの男が久々に連絡をくれた。「お兄ちゃん、元気そうやね!」と電話口で低い声で語ったその男。実は私が博多でショップを開いていた時の名門(と自画自賛⁉)、オフショアーレーシングチームのエースドライバー、井上徹であった。コアなRCカーファンならご存知の方もおられるかもしれないが、井上徹(当時から私をお兄ちゃんと慕ってくれたとても親密な関係なので敬称略)は、オフショアーRTでの活躍振りが買われ、かの京商ワークスドライバーとして、ハチイチ、電動ともに国内はもとより、世界各国の選手権で大活躍、1981年には12分の1エンジンカーの全日本選手権で優勝を飾ったこともある知る人ぞ知る元プロ。
現役を引退後、地元博多に戻って暮らしていた井上ではあったが、数十年振りに、さも昨日会ったがごとく連絡がつくのがSNSのすごいところ。あれこれと当時の昔話に花を咲かせたのであった。
ひとしきりの思い出話(これがまた面白いのだが、又の機会に……)の後、井上は言った。「お兄ちゃん、俺またRCカー始めたとよ」と。聞けば、ブラリと訪れた久留米のKスタジアムでオフショアー時代の大先輩に遭遇、しかもその方がふた回り以上も離れた若手に混ざって、過激なツーリングカーで引けをとらない走りを披露していたことがショックだったらしい。その瞬間「よしこうなったら俺もやってみよう!」と彼に意欲が湧いたであろうことは想像にたやすい。そう、根っからのレース好きは競争心が人一倍強いのだ。
井上選手を ”その気” にさせた久留米のサーキットKスタジアム
そんなわけで一気に盛り上がった井上だが、そこで彼がいきなりハイエンドなツーリングカーを一式揃えなかったことに ”大人” を感じ、お兄ちゃんは嬉しかった。そう、彼はタミヤのM07を買って、まずは素で組んでみたというのだ。2018年春のことである。
久々のRCカー、しかもよく走るツーリングカーに50歳をとっくに過ぎた井上が、大きな驚きと喜びを感じたのは言うまでもない。しかしながら、そこで「うん、これは楽しい!」で終わらなかったところがなんとも彼らしい。なんと彼は同年の夏に開催されたタミヤグランプリの九州大会にエントリーしたのだ。そのことを電話でアッサリと「うん、ツーリングクラスとF1、あとせっかくだからライダークラスにも出るとよ」とのたまわったのである。元京商ワークス、エースドライバーの片鱗をチラリと覗かせたのであった。
ここまで聞かされて、気持ちが高ぶらないほど ”お兄ちゃん” は錆びてはいない! 数年前にちょっと体調を崩しはしたものの、おかげで ”いい意味での自分勝手なマイペース” という大人の技を得ることもできたのだ(遅いがな!)←外野の声。
それから私がM07コンセプトをポチリとするまで、迷う時間はなかった。具体的にレースやイベントに焦点を合わせたわけではないが、とにかく最新のキットを組んでみたくなったのである。
久々に指先に心地よい痛みを感じながらの製作は実に楽しかった。途中でオプションパーツが気になって、お約束の ”追加のポチリ” も日増しに増えていった。
久々に作ったMシリーズ07コンセプト
さて、そんなアゲアゲの私に、井上から決定的な一本の電話が入った。以下その会話である。
井上「お兄ちゃん、タミグラ行ってきたよ!」
私 「で、どうやったとや?」
井上「最初は少し戸惑ったけど、後半はなんとかついていけるようになったよ」
私 「ほう、さすがやね、でライダークラスはどんな感じやった?」
井上「これが意外にもけっこう難しくて、みんな予想以上のスピードでのレースやったとよ」
私 「なるほどね、で、タミグラは全体的にどんな雰囲気ね?」
井上 「そりゃもう、楽しかった~!」
その後YouTubeで見た彼の走りは、他の選手に迷惑をかけないように気遣いしながらも、攻めるところはガンガンいくという、さすが元プロらしい勇ましいものであった。
元京商ワークス井上徹くん
と、ここまで記せば、リードにある二つのキーワード、”お兄ちゃん” と ”出るとよ” の意味がご理解いただけたであろう。しかし、まだこの時点では私はタミグラチャレンジの決意はしていなかったのである。では、何がそうさせたのか、一体私にどんな心境の変化が起こったのか、次なる展開は……次回のココロだ~!
[後記]
前回に引き続き、ここまでお読みいただいた読者の皆様に感謝いたします。そんなわけで、このブログにはRCカーの細かいセッティングデータとか、針の穴を通すドライビングテクニックとか、勝つためのバッテリー取り扱いノウハウ、といったハイレベルな話はまったく出てきません。それらを期待されていた方には大変申し訳ありません。なお、専門的な情報はRC専門誌等にてご覧になれると思います。 ヤマ編
0コメント