Scene 4. やっぱり ”ハコ” が好き!
ハコが好き! という訳で、かつてはこのアストロでジムカーナにエントリー。
SCENE4
私はかなり漠然とではあるが、”箱モノ” が好きである。物心がついてから、気が付けば何よりプラモデルを愛する模型小僧となっていた私にとって、大小様々な箱はイコール、夢の詰まった歴史の玉手箱であった。 駄菓子屋でいろんなモノの下の方で半分ひしゃげた、箱絵がなんとも不思議な50円プラモの箱に始まり、「いつかは欲しい!」と思いつつ、小学生の私には開けることすら許されなかったタミヤの戦車の大きな箱。さらに200分の1大和の濃紺の箱ともなれば、神的存在ですらあった。濃紺といえば、KMCのUコン機、OSのエンジンと、模型と一緒に育った箱好き小僧にとっていわゆるナス紺という色は、はまさに夢の象徴であった。そしてそれらの箱をシュパッと開けて、独特の匂いを嗅ぎながらごそごそと中身を取り出す悦びの瞬間はいつだって至福のひと時だ。
さて、そんな過去の体験のせいもあってか(単なる思い込みか)、私の箱好きは今でもずっと続いている。例えばクルマ。免許取り立てでシャコタンでやんちゃに乗った箱スカに始まり、ボロボロを買ってきて自分で直したホンダの77(んなクルマ知らないよね!?)、ブルの510、何台も乗り継いだアストロ……と、70年代から当時の若者がクーペだのハードトップだの騒ぐ中、私はハコが好きだった。初めて買ったトランジスタラジオ、ワールドボーイは、とっくに本体が無くなっててもハコだけが残っていたし、今でもRCショップでARF機の様々なハコを眺めるだけで、充実した時間があっという間に過ぎていく。ま、言ってみればハコフェチ!? なのである。
還暦記念に、ほぼ自分でレストア、ペイントして楽しんだ510。本当は4ドアが欲しかったのだけれど…
雑誌クラブマンやデイトナを手掛けた私が、フォーミュラやスポーツカーよりも、NASCARやミニバンが好きで、またマスタングやスピットファイヤーよりもAT6やGeeBeeが好き、バイクではスムーズなレーサーレプリカ(死語か!?)よりも無骨なシングルやツインの方が好きであることは、知る人ぞ知る部分。私のこういた好みの志向の原点には、おそらく幼少からの ”ハコ好き” があるのだろうと思う次第である。ちなみに戦車はどんなに最新鋭であれ、ペッタンコでチョコレートのような低いものよりも、M4シャーマンがいつだって一番である。
ドラッグレースを取材しても、トラックが出てくるとついつい熱が入ってしまった。
空のセダン、大戦トレーナー機の象徴、AT6のレースは最高!
さて前置き(だったのか!?)が長くなってしまった。これもブログだから許されるわけで、文字数限定の雑誌原稿ではこうはいかない。(ま、ささやかなストレス解消だったりするのです) で、何が言いたいかといえば、そう、私がタミグラにエントリーするにあたって、レギュレーションを見て即決したクラスが ”トラッククラス” であった背景には、以上のようなストーリーがあったというわけである。(言いたいことはたった数行で終わる)
いわゆる ”乗り” でクラスを決めたからといって、簡単にエントリーするわけにはいかない。まずは現場をよく知っている経験者から状況を聞くなどして、本当にそれで自分が楽しめそうなのかを知る必要がある。そこで福岡の中村模型に相談。こればかりは一人で悶々としても仕方ないので、Kスタジアムの何でも相談室の神、小方さんに相談。そして様々な情報を聞き出すことができた。 まず一口でトラッククラスといっても、TRFチャンピオンシップに属するくくりと、いわゆるトラックレーシングと呼ばれるクラスがある。で、どちらが適しているかを聞いたところ「ヤマヘンさん、TRFのトラックはとんでもないスピードでカッ飛んでいきますよ!」とのこと。確かにシャシーは同じTT-01もしくは02となってはいるが、搭載可能モーターが、TRFは10.5Tのブラシレスと強力なスペックとなっているのだ。一方トラックレーシングは搭載モーターがブラシタイプのライトチューンのワンメイクとなっており、しかも「どなたでも参加できます」という一文もあり、なんとなく平和なムードが漂っているのだ。もちろん、それでも本気モードの精鋭ドライバー達がトップを争うことに変わりはないわけで、そこに参加する以上は、自分も本気で取り組まなければオーガナイザーと他のドライバーに対して失礼だ。 さて、出場クラスがトラックレーシングに決まれば、次にマシンの用意だ。さすがにブラシモーターやニッカドバッテリーは手持ちがないので、結果的にRC装置以外はそっくり揃える必要がある。そう、イベントに向けての第一ワクワク段階である。そこで私はおおきな判断に迫られた。え、何かって? 先にも記したように、出場可能なシャシーが、TT-01 TYPE-E もしくは TT-02(TYPE-S不可)と二者択一になっているのだ。さあて、これはどうしたものか……と、これまた小方大明神に相談したのであった。
以下次号
追伸:猛暑到来! 皆さんサーキットで遊ぶ際には熱中症に十分に気を付けてくださいませ。
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